deltarune chapter2はよかった
注意書き
- deltarune chapter2のネタバレ(2周して色々見た)を含むため、プレイしてください
- でも間違ってるかもしれません
- Twitterに書いていたものをちょっと追記しつつまとめただけで雑然としていますが、全体の流れに合わず削ったところ以外も「良さ」を始終感じているのでよければ見てください
- 大体「良い……」しか言ってません
「UNDERTALEとは違うことがしたい、違った楽しみを持つゲームだ」ということがchapter2までプレイすることで意識できるようになってきた。chapter1までで漠然と抱いていた「UNDERTALEより『つまらない』と感じないだろうか?」という身勝手な不安は、今回で払拭された。deltaruneはUNDERTALEの後追いにはならない。
まず、配信方法からして最高。
windows版だけではなくmac版まで同時に配信してくれて、しかもきちんとした日本語版ですら付いてくる。インディーズゲームでこれが当たり前のようにchapter1からなされていたことが信じられない。「switch版はないの」とか言ってる場合ではない。
初回起動後、この画面がいい。もう少し不穏な雰囲気を予想していたが、メインテーマの新しいアレンジに早速出迎えてもらった時に「確かに続いているんだ」という感慨深く聞き入った。
事前に
2つのゲームの世界は別のもので、そこでのルールも、違うかもしれません。
でも、だからといって、まったくつながいがない、とは言い切れないですけどね。
と書かれたことで、UNDERTALEとの繋がりを安心して楽しめるようになった。
悪い癖で、LOSTという概念があるならしっかりやってみようと2周目は一通りLOSTさせてみたりもした。
ただ、今回はそんなに大きな差分はなかったように思える。ボコリングの強さが変わるという意味では敵を逃がす利点があったかもしれない。そもそもLOST自体死と結びついているようには見えずあまり重みがあるものという描写がないため、そういう割り切りの仕方もいい(攻撃が裏ボス戦くらいでしか役に立たなくなるが)。
敵キャラの魅力は言うまでもない。
スイート・キャップ・K_K戦は割と意味がわからなかったが、とりあえず全員踊ってハッピーそうだったので全てどうでもよくなった。
この3人+タスクマネージャーさんのデザインは同じ方だった。どおりでいいわけだ。
タスクマネージャーさんの資料の掲載許可をいただきましたので、ご参考にどうぞ!Her design is a bit complicated.I will post her materials here.#DeltaruneChapter2 #deltarune #TasqueManager pic.twitter.com/N4DXUMmDUO
— 🍄Nelnal(作業集中のため低浮上中) (@nelnalium) 2021年9月19日
全体として、若干古き良きPC時代を表現しているのが『スプラトゥーン2』のオクト・エキスパンションをちょっとだけ思い出させていい。
キャラクター
スージィが2日目もちゃんと友達でいてくれてうれしいし、スージィ自身もクリスが友達かどうか結構不安だったというのがわかるのがうれしい。
chapter1の時点では、無神経で誰にも謝らず、でも友情には篤く、結局気ままに生きるところが彼女の魅力だと思っていた。でも、彼女もその態度の裏で人を気遣って、怯えているところにより身近な存在として魅力を感じられた。
特にスパムトンNEO戦後で「大丈夫」を選択した後に彼女らしい野蛮なジョークでクリスを笑わせた後そっと安堵する様子が最高に彼女だった。
ノエルのスージィに対する感情はchapter1の時点でチラ見えしていたが、chapter2でバチバチと仕上がり、スージィからの感情も実は……ということが見て取れたことで「最高」になった。
割と露骨にスージィへの好意は出すし、彼女に近づくためなら手段は問わない。恋敵宣言してきたバードリーも普通に絞め殺そうとしてくるあたりが、素直で本当にいい。
彼女の優等生だけじゃない面が見えるにつれ、そんな彼女だからスージィの怖さの中にある美点に憧れて言語化することもできて、それを聞いたスージィの心も揺れ動く、その過程の丁寧さにトビー・フォックスの百合好き本当にどうかしてる(台無し)……と思った。
ランサーは相変わらず単体でもスージィとの組み合わせでもかわいい。今回はメインキャラというほどではない立場だったが、それでもいろんなところで喋ってくれた。
ルールノーの態度を見る限り他の闇の世界で石になるルールを知っていたのかはわからないが、あっさり友達のために自分を犠牲にしないでほしい。かなしい。
バードリーがここに来て割と好きになるとは思わなかった。
コンプレックスに負けそうになりながらも、きちんと学年トップを取り続けるのはしっかり努力している証拠だよ……と途中から愛おしく思えてきた。
このあたり、彼もまた寂しい人であることを感じた。全体的にdeltaruneの主要人物は大体あんまり自信がないティーンエイジャーなのがかわいい。
百合に挟まってくる男かと思いきや、最終的に同じ女相手に女と恋敵になってくるのは良かった。
クイーンというキャラクター、あそこまで癖があるのは何者かと大変好きになった。英語版の台詞をじっくり参照したいキャラクターとしては、一位をスパムトンと争うキャラクターになる。絶対に意味がわからないだろうが……。
一方で、ノエルに対する「彼女は強い」「選択をしてほしい」という気持ちは、こんなふざけた口調に合わないくらいしっかりしている。ルドルフの話から、母親は非常に厳格で彼女は若干抑圧されているらしく、闇の世界は誰の願望がどんなふうにが反映されているのだろうかと思い馳せたりした。
スパムトンはメタトンとちょっと名前が似ているだけで音楽はいいのに言語感覚のイカれたふざけたキャラクターだ……と思っていたら徐々にとんでもないことになってしまった。
スパムトンNEO戦は音楽のアレンジ力がバチバチに効いて、そしてどう見ても弾幕や音楽のすみっこにメタトンEXを彷彿とさせ、そして死ぬか死なないかの狭間でスリリングなやり取りができた。糸を切っても切らなくても、友達になりそうでもそうでなくてもあやつり人形でしかないのがかなしい。
そして単純な闇堕ちではなく本人ではない分、最後に店員から聞けるライトナーとしての彼の静かな末路がちょっとさみしい。いっぱんピーな彼と約束した「明日」はやっぱり気になる。
いっぱんピーのライトナー pic.twitter.com/IZXfqwarni
— maple (@MapleDeltarune) 2021年9月19日
ラルセイは、わからない。魅力的なのに、わからない。
他の闇の世界の住民と比べて、石化ルールや伝説について知りすぎている。
そして、スパムトンNEO戦後のこのやり取りについて、若干この世界の住民に対する目線として冷えるものを感じた。
やさしい言い方に見えて割と冷え切ったものの言い方してない、ラルセイくん……? pic.twitter.com/fvY0zayp28
— maple (@MapleDeltarune) 2021年9月19日
そもそも「闇の国の王子」であることにchapter2まで来ておいてまるで説得力がない。「闇の世界」がこんな風にある時、「闇の国」ってどこなんだ。
それでも、クリスとのやり取りに「兄」のような優しさを感じたりと新しい魅力を発見したチャプターではあった。
大丈夫じゃない場合、お兄ちゃん……となるんだけど、「咆哮」の話でチラ見えしたラルセイくんの怖さがちょっと感じられた回でした pic.twitter.com/B5Oj5eZmZo
— maple (@MapleDeltarune) 2021年9月19日
クリスからの兄への感情が複雑すぎて良い。
マイキャッスルタウンにあるクリスの部屋。どことなく子供部屋の兄への部分に似ている気がして、ここでは兄への憧れを感じた。
一方で、この感情の出し方はよくわかる。憧れや好意と、素直になれない気持ちは両立する。
でもこのシーンは「兄に対しての複雑な感情」というよりラルセイのことをさすがに(トビー・フォックスが)ヒロインだと思っていないか。
闇の世界と現実世界のかかわりは、どうなっているんだろう。
クリス家はインターネットが復旧していない。ただ、クリスだけの世界でもない。
ただ、詳しい闇の世界の構造や「騎士」、そしてジェビルを狂わせたり3兄弟(?)に接触してきたりするいけてる男については多分後でわかるのだろうとそこまでは考えない。
chapter1では解釈を保留していたが、今回は「じぶん」「クリス」「器」「タマシイ」とその境界についてかんがえさせられることが増えた。
タマシイが入っている時(いつもの状態)は
- ナイフを振りかざしたりはしない
- ピアノは弾けない(ことに嫌悪感を持っている)
- 本人の意思に合うのかわからない選択肢を出したり喋ったりする
といろんな性質があって、結局どんな時がクリスだったのかがまだわかっていない。
ただ、タマシイを動かして選択肢が出てくる時に今回は一層「本当にクリスはそれでいいのか?」と違和感を覚えさせるものが増えてきた気がする。
本当は、ここで左を選択するようなひとなのか、クリスの気持ちを確認しておきたかった。それがわからないことについて、たまにクリスに対して申し訳ない、と思ったりした。
(どんなにここで塩対応しても結局スワンボートのことは楽しい思い出だったみたいで、それはよかった)
その一方でスージィは、こちらの取った選択肢をことごとく無視してくる。それが心地よかった。
それが今後も効いてくる役割なのか(あるいは自分の気のせいなのか)はわからない。でも、できればスージィにはこのまま自由であり続けて欲しい。
それ以外
現実世界の街でのキャラクターとのやり取りは、おいしいオマケ要素として純粋に楽しんでいる。
アルフィンのふたりが互いについて内面をあまり知らないまま外見だけで惹かれ合っているところに、「運命のふたり」を感じてしまって最高だった。一回チョコレートは間違って食べちゃった(多分捨てることもふつうにできそう)けど、そんなふたりならまたきっと出会えるだろう、こちらの介入なんて関係なく……。
パピルスは、「忙しい」と作者にきちんと不在が説明されているので「大事に扱われているんだな」と満足している。発売数年後の今でもUNDERTALEのキャラクターとして供給は十分すぎる程もらっているので……
でもそれはそれとして初手で店員に弟について尋ねる気持ち悪いムーブはした。サンズにコケにされてよかった(完全にUNDERTALEの曲なのにdeltaruneのOSTに入ってくる厚かましいやつである。そこがいいんだけど……)。
さいごに
chapter1よりも、「何がしたい」のかが明確に見えてきたチャプターだった。どう楽しんでいけばいいのかがちょっとわかったし、それを自分の中で楽しむことはできそうなのが本当に嬉しい。
これからも気長に続きを楽しみにしたい。
一番好きな曲は、かなり迷うけどやっぱり『My Castle Town』の第二のホームとしてのやさしさです。